御厨神社(松阪市)概要: 御厨神社は平安時代に勧請されたという古社です。当時は伊勢神宮と関係が深く神宮に食物を奉納していた平生御厨の奉祀神として信仰され、勅使が神宮へ向かう際、必ず参拝に訪れ道中の安全祈願したと伝えられています。
歴代領主からも信仰され、特に伊勢国の守護職を担った北畠氏は篤く庇護し社運も隆盛しました。当初は現在の松阪市町平尾町(飯高郡下ツ牧)に鎮座していましたが戦国時代の兵火により焼失し一時衰退し、天正年間(1573〜1592年)、蒲生氏郷が松阪城を築いて新たな城下町を整備すると大手筋の伊勢街道沿いに遷座し再興されています。
江戸時代に入り紀伊藩領となり、元和6年(1620)に代官として松阪に配された長野九左衛門が現在地に遷座、松阪城からみて北東にあたる為、鬼門鎮守の神社として歴代松阪城主から崇敬庇護されます。
又、御厨神社は周辺町の氏神でもあった為、氏子だった本居宣長も信仰し安永9年(1780)には万葉仮名で歌3首を、寛政10年(1798)には代表作でもある古事記伝(46冊・附:本居宣長書簡1巻)を奉納しています。本居宣長は信仰心に篤く松阪の鎮座する御厨神社、八雲神社、山神社の3社に「古事記伝」を発刊する度に奉納していたようですが、現存しているのは御厨神社のものしか無く貴重とされ、松阪市指定文化財に指定されています。
神門(神社山門)は切妻、桟瓦葺、一間一戸、四脚門。拝殿は入母屋、本瓦葺、妻入、間口3間、奥行5間。本殿は一間社神明造、銅板葺。祭神:建速須佐之男命、加夫呂岐命、火産霊命、木花之開耶姫命、大山祇命、奥津彦命、奥津姫命、応神天皇、宇迦之御魂命、市岐島姫命。松阪霊地七福神:恵比寿。
御厨神社:上空画像
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