西来寺(津市)概要: 龍宝山西来寺は三重県津市乙部に境内を構えている天台真盛宗の寺院です。西来寺の創建は延徳2年(1490)、真盛(円戒国師・慈攝大師:天台宗の高僧)が西教寺(滋賀県大津市坂本)の支院の1つとして開かれたのが始まりとされます。
当初は阿漕の海岸近くにありましたが明応7年(1498)の大地震で大破し柳山に再建されました。永禄12年(1569)、織田信包が津城の城主になると城の拡張と共に城下町の整備が行われ西来寺も城下に移されています。
慶長5年(1600)、関が原の戦いでは津城も戦場となり、その兵火により西来寺は山門以外の多くの堂宇が焼失、慶長6年(1601)に現在地に境内を賜り随時再建が行われています。太平洋戦争の戦禍により再び焼失しましたが寺宝の多くが残されています。
山号:龍宝山。宗派:天台真盛宗。本尊:阿弥陀如来
西来寺の文化財
・ 紙本墨書大般若経(巻第109)−奈良時代−国指定重要文化財
・ 紙本墨書−注大般涅槃経(巻第2及第12)−奈良時代−国指定重要文化財
・ 版本天台三大部(78帖)−鎌倉時代−国指定重要文化財
・ 絹本着色阿弥陀来迎図−鎌倉時代−国指定重要文化財
・ 絹本着色聖徳太子勝鬘経講讃図−鎌倉時代−国指定重要文化財
・ 紙本墨書真盛自筆消息(2通)−室町時代−三重県指定文化財
・ 紙本淡彩白衣観音像−室町時代−三重県指定文化財
・ 紙本墨書成唯識論残欠−平安時代初期−津市指定文化財
・ 紙本墨書和歌御詠草(後奈良天皇宸筆)−室町時代−津市指定文化財
・ 紙本墨書真盛上人筆十念名号−室町時代−津市指定文化財
・ 絹本着色三千仏図−室町時代−津市指定文化財
・ 絹本着色円覚経曼荼羅−室町時代−津市指定文化財
・ 紙本墨書盛品筆法語−室町時代−津市指定文化財
・ 紙本清雲院消息(3通)−江戸時代−津市指定文化財
・ 紙本墨書−禁中懺法講記(2巻)−江戸時代ー津市指定文化財
・ 山家本法華経版木(109枚)−江戸時代−津市指定文化財
・ 五鈷鈴−鎌倉時代−津市指定文化財
西来寺:上空画像
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