榊原温泉(歴史)概要: 榊原温泉の開湯は不詳ですが古くから知られていた存在で当時は貝石山の麓から湧き出ていました。その為、貝石山は信仰の対象となり八合目には射山神社が鎮座し温泉大明神として大己貴命と小彦名命が祀られていました。
延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳には式内社として記載されている事から少なくともそれ以前から鎮座していたと思われます。対岸にある長命水は継体天皇の御代(501〜531年)、第六皇女の荳角媛命が伊勢神宮の斎王になる際、物部伊勢小田連が霊水である長命水に榊を一晩浸し献納したとされ地名の由来になっています。
榊原温泉は京都と伊勢神宮を繋ぐ街道沿いに近く伊勢の入口にあたった為、古くから湯垢離として利用され七栗の湯として次第に中央にも聞こえる存在となりました。
平安時代に清少納言によって編纂された「枕草子」では「湯はななくりの湯、有馬の湯、玉造の湯」と記されおり七栗の湯(榊原温泉:三重県津市)・有馬の湯(有馬温泉:兵庫県神戸市)・玉造の湯(玉造温泉:島根県松江市)が三名泉と云われました。
三名泉には諸説あり七つの源泉が人間の七つの苦難を助ける為、七苦離の湯と呼ばれた信濃御湯(別所温泉:長野県上田市)、当時の地名が玉造郡と呼ばれた鳴子の湯(鳴子温泉:宮城県大崎市)などが挙げられます。
その後、貝石山麓の源泉が枯渇し現在の射山神社境内から新たな源泉が発見、江戸時代に入り民衆にもお伊勢参りが盛んになると参拝の旅の体を癒す為や湯垢離の為に榊原温泉を利用する人々が飛躍的に増え大いに賑わいました。
榊原温泉:上空画像
・ 榊原温泉の泉質−アルカリ性単純泉
・ 榊原温泉の効能−慢性関節リュウマチ・皮膚病・婦人病・糖尿病・神経痛・疲労回復など。
|