賢明寺(津市)概要: 青瀧山千手院賢明寺は三重県津市久居元町に境内を構えている天台宗山門派の寺院です。賢明寺の創建は天平2年(730)、聖武天皇の勅願により行基菩薩が開いたのが始まりとされます。
延元3年(1338)に発生した雲出川合戦の兵火により多くの堂宇が焼失しましたが、正平21年(1366)に北畠顕能が祈願所として篤く帰依した事から再興に尽力しています。戦国時代の永禄12年(1569)に織田信長の伊勢侵攻の兵火で再び焼失し、寛永年間(1624〜1645年)に実順法師によって再興されています。
寛文10年(1670)に藤堂高通が久居藩を立藩すると篤く帰依し貞享2年(1685)に銅灯篭寄進しています。皇室からも帰依され享保4年(1719)には中御門天皇が子授祈願を行い、見事、皇子が授かった事から詠まれた歌が奉納されています。賢明寺の寺運は隆盛しましたが、明治時代初頭に発令された神仏分離令と廃仏毀釈運動により衰微しました。
賢明寺の寺宝である木造如意輪観音菩薩座像は鎌倉時代に製作されたもので像高101cm、寄木造、貴重な事から昭和63年(1988)に津市指定文化財に指定されてます。
賢明寺山門は貞享元年(1684)頃に建てられたもので、入母屋、本瓦葺、三間一戸、桁行3間、梁間2間、八脚楼門形式、外壁は真壁造り板張り、木部朱塗り、上層部四方高欄付き、下層部正面左右には仁王像、背面には増長天と毘沙門天が安置、江戸時代中期の楼門建築の遺構として貴重な事から昭和56年(1981)に津市指定有形文化財に指定されています。
石造板五輪塔は弘安8年(1285)に重源上人の母親である願阿の三十三回忌供養の為に建立されたと伝えられるもので、高さ約1.7m、幅0.43m、厚さ0.27m、貴重な事から昭和28年(1963)に三重県指定文化財に指定されています。
銅灯籠は貞享2年(1685)に藤堂高通が寄進したもので高さ2.4m、貴重な事から昭和49年(1974)に津市指定文化財に指定されています。
伊勢西国三十三観音霊場第13番札所。一志西国三十三所観音霊場第1番札所。山号:青瀧山。院号:千手院。寺号:賢明寺。宗派:天台宗山門派。本尊:千手観世音菩薩。
賢明寺:上空画像
八脚門を簡単に説明した動画
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